退職手続きの全ステップ|退職願の提出から最終出社までの流れを解説

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退職を考えているけれど、何から始めたらいいかわからずにためらう方は多いです。退職準備を整えると、スムーズに次のステップに進めます。この記事では退職の意思表示から最終出社までの手順、返却するものや受け取るべき書類、退職後の公的手続きまで解説します。

記事を読めば、退職の流れが明確になり、スムーズな退職が可能です。

退職手続きの流れ

退職手続きは、事前にしっかり計画を立てたうえでの行動が重要です。退職の意思を伝えてから最終出社までの期間には、以下の段階があります。

  • 退職の意思表示(1~3か月前)
  • 退職願の提出(退職の1か月前)
  • 業務の引き継ぎ
  • 取引先へのあいさつ
  • 有休の消化や整理・整頓・返却物の確認
  • 退職(最終出社)

適切に手続きを済ませて、スムーズに退職を実現させましょう。

退職の意思表示(1~3か月前)

退職を決意したら、最初に上司や人事部に退職の意思を伝えます。退職の意思表示は、退職希望日の1〜3か月前までに済ませましょう。対面で退職の意思を直接伝えると、誤解を防げます。退職の理由としては、明確かつ正直な説明が必要です。今後のキャリアに向けて良好な関係を維持しやすくなります。

退職希望の日付を具体的に提示し、会社の規定に従いましょう。早めの意思表示によって、業務の引き継ぎや後任者の採用に十分な時間を確保でき、スムーズに退職できます。
» 退職の伝え方|円満に退職するためのコツと注意点

退職願の提出(退職の1か月前)

退職願の提出は、退職の意思を会社に正式に伝えるための重要なステップです。退職願は、具体的な退職日を明記し、自分の署名を含む書面で提出する必要があります。提出前にあらかじめ、直属の上司や人事部に口頭で退職の意向を伝えておくと、スムーズに手続きできます。

法律では退職2週間前の通知が必要ですが、多くの企業では1か月前の通知を求めるルールが一般的です。提出から退職日までの期間は、業務の引き継ぎや後任の指導に充てましょう。

業務の引き継ぎ

業務の引き継ぎは、退職後も会社の業務が滞りなく継続されるために必要です。業務を引き継ぐ際の流れは、以下のとおりです。

  1. 対象業務のリストアップ
  2. 引き継ぎ資料の作成
  3. 引き継ぎ相手の選定
  4. 引き継ぎスケジュールの策定
  5. 引き継ぎ会議の開催
  6. 実務トレーニングの実施
  7. 引き継ぎ資料の最終確認と更新
  8. 引き継ぎ完了の確認

流れに沿って適切に引き継ぎできれば、退職後のトラブル発生リスクを低減できます。

取引先へのあいさつ

取引先へのあいさつを通じて、今までの取引に対する感謝を伝えれば、今後の関係を維持しやすいです。直接面会し、可能な限り個人的に感謝の意を伝えましょう。直接の面会が難しい場合は、メールや手紙で連絡します。関係者全員にあいさつをして、後任者を紹介すれば、今後の取引に影響を与えません。

有休の消化や整理・整頓・返却物の確認

退職する際は、有休の消化計画を立てましょう。有給休暇の残日数を確認し、未消化分を有効に活用するための計画を事前に立てておきます。職場で使用していた個人の机や、ロッカーの整理整頓も重要です。不要な書類や個人のものは整理し、必要なものは持ち帰り、不要なものは廃棄しましょう。

職場を綺麗に保ち、後任者や同僚に迷惑をかけないようにします。会社から借り受けていたPCや携帯電話、鍵などの返却も忘れてはいけません。貸与されているものは会社の財産です。適切な手続きで正しく返却する必要があります。

退職(最終出社)

退職日(最終出社日)には、会社とのすべての公式な手続きを終え、職場との最後のつながりをきちんと整理します。最終出社日が決まったら、退職の日までにすべての業務を完了させましょう。職場の同僚や上司には、今までの感謝の気持ちを込めてあいさつをします。

会社に提供された物品や書類は忘れずに返却し、個人の荷物は持ち帰ります。最終日には勤怠管理システムに最後の出勤記録を入力し、セキュリティカードの返却やその他の手続きも完了させましょう。

退職時に会社に提出・返却するもの

退職時に会社に提出・返却するものは以下のとおりです。

  • 退職届
  • 会社から支給されたもの
  • 業務資料やマニュアル

退職届

退職届は、退職希望者が会社に提出する正式な文書で、退職予定日の少なくとも1か月前に提出します。退職届には、退職希望者の氏名、退職予定日、退職理由などの記載が必要です。提出された退職届は直属の上司や人事部に渡され、退職の手続きが進められます。退職届は、退職意思の明確な表明として重要です。

会社から支給されたもの

会社から支給された物品は、退職時に返却する必要があります。返却するものは以下のとおりです。

  • IDカード
  • ユニフォーム
  • 社用携帯
  • パソコン
  • 関連アクセサリー
  • セキュリティトークン
  • 社用車の鍵

退職の際は貸与されている物品を整理し、返却忘れがないか確認しましょう。

業務資料やマニュアル

業務資料やマニュアルには、業務に直接関連する情報が含まれており、社内のスムーズな運営を支えるために重要です。作成しておきたい資料は以下のとおりです。

  • 業務に関連する重要な文書
  • 製品やサービスの取扱説明書
  • 顧客リストや重要な連絡先
  • プロジェクトの進捗報告書や完了報告書
  • 作業手順書やオペレーションマニュアル
  • 経営や財務に関する報告書
  • 社内規定や手順が記されたマニュアル

業務資料は、業務の質を保ち、後任者にスムーズに引き継ぎするために役立ちます。社内規定や手順が記されたマニュアルは、後任者が業務を効率的に理解し、適切に対応するためのガイドです。退職するときには業務資料やマニュアルを整理し、適切に引き継ぎましょう。

退職時に会社から受け取るもの

退職時に会社から受け取る書類は、退職後の生活や新たな職に就くときに重要です。退職時に通常受け取るべき主な書類は、以下のとおりです。

  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票
  • 離職票
  • 退職証明書

受け取った書類は、公的な手続きや新しい職場での雇用条件を証明するために必要となります。退職時には必要な書類をしっかりと受け取り、適切に保管しましょう。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、雇用保険の被保険者資格を持つ労働者に交付される重要な証明書です。以下の情報が記載されています。

  • 被保険者の資格取得日
  • 雇用形態
  • 過去の保険料の納付情報

退職時には、被保険者証を会社に返却する必要があります。退職後、新たな職場で雇用保険の手続きをする場合や失業保険を申請するときにも、被保険者証が必要です。新たな就職活動をスムーズに進めるためにも、被保険者証の保管と管理には注意しましょう。

年金手帳

年金手帳には、個々の年金加入歴や保険料の納付状況が記録されており、将来受け取る年金額の算出に必要な情報も含まれています。退職時には、勤務先から年金手帳を受け取り、新たな職場に転職するときに提出する必要があります。
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手帳を紛失または破損させてしまった場合は、すぐに最寄りの年金事務所で再発行の手続きをしましょう。退職後の年金手続きをスムーズに行うためにも、年金手帳は大切に管理してください。

源泉徴収票

源泉徴収票は、給与の年間収入と所得税額が記載されている重要な公的書類で、所得税の確定申告時に必要です。退職時には、前年度分までの源泉徴収票を会社から受け取りましょう。基本的に毎年1月に発行されます。税務署への申告や、次の就職先での給与計算の参考資料としても用いられるため、大切に保管しましょう。

離職票

離職票は、退職者が新たな職場に就職するときや失業保険を申請する際に、必要な公的文書です。記載されている内容は、以下のとおりです。

  • 退職者の雇用形態
  • 勤務期間
  • 給与

雇用保険の被保険者が退職した場合、退職日から10日以内に離職票を発行するよう、法律により企業に義務づけられています。離職票は退職者に直接手渡されず、ハローワークを通じて渡されます。離職票があれば、失業保険の給付申請が可能です。

退職証明書

退職証明書とは、退職を公式に証明する文書です。退職証明書には、以下の基本情報が記載されています。

  • 退職者の氏名
  • 生年月日
  • 入社日
  • 退職日
  • 退職理由

人事部や担当者が退職証明書を作成します。退職後の再就職活動や資格取得のときに要求されるケースが多いです。退職証明書に法的な発行義務はありませんが、次の就職先で求められる場合も多いため、退職時には忘れずに受け取りましょう。

退職後にする公的な手続き

退職後には、生活をスムーズに進めるために以下の公的な手続きが必要です。

  • 健康保険の手続き
  • 雇用保険(失業保険)の手続き
  • 年金の手続き
  • 住民税の手続き
  • 所得税の確定申告

適切に手続きを進めると、退職後も経済的なサポートを確保でき、新たな生活へとスムーズに移行できます。

健康保険の手続き

退職後は会社を通じて加入していた健康保険が失効するため、新しい保険への加入が必要です。退職後14日以内に健康保険の資格喪失届を提出します。前職で使用していた健康保険被保険者証は会社に返却し、新しい保険証を受け取る必要があります。国民健康保険に加入する場合が多いです。

退職後も引き続き従前の健康保険組合に加入できる、健康保険任意継続制度の利用も検討してください。継続には一定の条件を満たしている必要があります。利用できる場合は申し込みをして、退職証明書や離職票などの必要書類を提出しましょう。健康保険の手続きにより、退職後も医療サービスを適切に利用できます。

雇用保険(失業保険)の手続き

退職後の生活を支える経済的な補償を受けるためには、雇用保険(失業保険)の手続きが必要です。退職時に会社から渡される離職票を受け取り、ハローワークで手続きしましょう。

ハローワークに以下の必要書類を提出し、雇用保険の失業給付申請をします。

  • 身分証明書
  • 雇用保険被保険者証
  • 振込先口座情報

手続きを進めると、失業認定日が決定され失業給付がスタートします。失業給付を受けるには、定期的なハローワークへの訪問が必要です。訪問時には、退職後の安定した生活へとつながる支援が得られます。

年金の手続き

退職後に必要な年金の手続きは、将来、安定した収入を確保するために重要です。最寄りの日本年金機構、または市区町村の窓口に年金手帳を提出します。年金手帳の提出により、今までの加入記録が正式に確認され、必要な情報が更新されます。基本年金番号の確認や、必要に応じた変更なども合わせて手続きしてください。

退職後は国民年金への加入手続きが必要です。自営業者など、厚生年金から切り替える場合も該当します。企業年金や厚生年金の加入状況の確認と更新も重要です。退職後も年金加入記録が途切れないように、追加で保険料を支払う手続きが必要な場合もあります。将来の年金額に影響を与えずに、保険期間の継続が可能です。

適切に年金の手続きをすれば、退職後の年金受給資格期間も正確に把握でき、将来の経済的安定が見込めます。

住民税の手続き

退職後の住民税の手続きは重要です。退職による住所変更の有無に応じて、取るべき対応が以下のように異なります。

  • 引っ越しする場合:新しい住所地の市区町村役場に転入届を提出する
  • 引っ越ししない場合:現在の住所地の市区町村役場に退職の事実を通知する

前勤務地の市区町村から発行された「住民税の決定通知書」を新しい住所地の市区町村に提出してください。住民税の手続きを怠ると、請求が遅れる場合もあるため、迅速に対応しましょう。

所得税の確定申告

退職後の所得税確定申告は、前年度の収入をもとに自己の税金を計算し、適切に申告する重要な手続きです。毎年2月16日~3月15日の期間内に確定申告すれば、過去の収入にもとづく正確な税額が計算されます。退職により所得が減少した場合は、過払い金が還付されます。確定申告を通じて、正しい税額の調整が可能です。

申告に必要な書類は、以下の書類などが含まれます。

  • 源泉徴収票
  • 医療費控除の領収書
  • 寄付金控除の証明書

必要書類は所得や所得控除を正確に申告するために必要です。e-Taxを利用すれば、自宅にいながらオンラインで手続きできるため、時間と労力を節約できます。

まとめ

退職手続きは、退職の意思を早めに伝えてから、最終的には公的な手続きまで、一連の流れがあります。主なステップは以下のとおりです。

  1. 退職意思の表明
  2. 退職願の提出
  3. 業務の引き継ぎ
  4. 取引先へのあいさつ
  5. 職場の整理や物品の返却

上記のステップを適切に実行すれば、スムーズに退職できます。退職後には健康保険や雇用保険の手続きなど、さまざまな公的手続きがあります。忘れずに完了させましょう。

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いだん
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朝活で転職活動をする会社員
化学系のエンジニアをしている会社員。日々の生活を改善したくて朝活で転職活動を始めました。

転職活動を通じて自分のやりたいことや行きたい会社が明確になり。穏やかに会社員生活を続けることができています。

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